聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

泌尿器科

泌尿器科のお知らせ

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腎臓がん

1. 進行度別の腎臓がんの治療方針

腎臓がんは、放射線治療や抗がん剤は効きにくい癌なので、手術療法が治療の基本となります。当科の治療方針の概略は次の通りです(以下は一般的なもので、患者さんの年齢や病状等により異なります)。  

病期 治療法
T1a(腫瘍の径が4cm以下) 腎部分切除術(開腹または腹腔鏡手術)
T1b(4cm<腫瘍径≦7cm以下) 腎摘除術(腹腔鏡手術)
T2(腫瘍径7cm超えるが腎に限局) 腎摘除術(開腹または腹腔鏡手術)
T3(腎周囲脂肪組織/副腎/腎静脈に進展) 腎摘除術(開腹手術)
T4(腎周囲臓器へ直接浸潤) 可能なら手術、薬による治療

2. ロボット支援腹腔鏡手術について

  • 4cm以下の早期腎癌に対する標準治療は"腎部分切除術"です。
    早期腎癌に対する治療成績は、部分切除術でも全摘術でも同等であることが証明されています。
    一方、腎機能については、腎部分切除術の方がより多くの機能を残すことができます。近年、腎機能の低下が、単に腎臓だけの問題にとどまらず心臓や脳血管の病気のリスクとなることが明らかとなって以来、より腎機能を温存できる部分切除術が注目されています。
    日本や欧米の腎臓がん治療ガイドラインでも、早期腎癌に対してはできるだけ全摘ではなく部分切除術を行うことが推奨されています。
  • 通常の腹腔鏡手術は、手術器具(鉗子)の動かせる方向に限りがあるため、難易度の高い手術です。
    腎部分切除術には、開腹術と腹腔鏡手術があります。腹腔鏡手術の方が、体に対する侵襲が少ないですが、通常の腹腔鏡手術の鉗子は先端が曲がらないため、動かせる方向に限りがあり、結果として手術の難易度は高いものでした。
  • ダビンチシステムによるロボット支援手術では、腹腔鏡手術の利点を生かしつつ、腹腔鏡手術の難点を克服しました。
    ロボット支援手術で使用する鉗子には、関節があり人間の手と同等以上に動かせることができるので、自由な角度で容易に切除や縫合ができます。
    加えて、3次元(3D)で高解像度の画像の元に手術を行うので、より精細な手術が可能となりました。詳細はロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術の項も参照ください。

※対象となる腫瘍には、大きさや部位などの制限もあります。詳細は泌尿器科までお尋ねください。



3. 腎臓がんの治療で用いられる薬について

腎臓がんの治療で用いられる主な薬には、分子標的薬と免疫治療薬があります。

  • 分子標的薬について
    分子標的薬とは、抗がん剤の一種ですが、がん細胞が増殖する際に必要な細胞内の物質(分子)の働きをブロックすることにより、がんの増殖を止める薬のことです。
  • 免疫治療薬について
    ここでの免疫療法とは、腎がんの治療薬として、一定の効果があると臨床試験により科学的に証明された薬剤のことで、具体的にはインターフェロンやインターロイキン2と呼ばれる薬剤です。

4. ラジオ波焼灼治療について

体の表面から腫瘍内部に刺入した針を通して、ラジオ波という波の一種を腫瘍に当てます。波が熱に変化し、発生した熱により細胞が破壊されます。根治性は手術に比べると劣りますが、手術がふさわしくない方には適した治療法で、必要に応じて繰り返し治療することもできます。腫瘍の大きさが3cmまでの方が対象です。

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