聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

眼科

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角膜、眼表面外来

スタッフ:輿水、都筑、山口(非常勤医師)

外来スケジュール表

当院の角膜、眼表面外来の特色

当院では角膜疾患を専門とする医師が複数在籍し、難治性の角膜疾患にも対応可能です。他院で治療困難と言われた患者様も多数ご紹介いただき、治療してきた実績があります。
また、手術に関しても角膜移植、エキシマレーザーを用いた手術や羊膜移植も行っており、幅広い疾患に対し、様々なアプローチから治療可能です。
角膜疾患は病状によっては早期に適切な治療をしなければ見え方に後遺症が残ることも少なくないため、気になる症状があれば早めに受診し、医師とよく相談しましょう。

代表的な角膜疾患

1-1. 感染症

細菌、真菌、ウイルスを始め、アカントアメーバ(*)など難治性の角膜感染症の治療も行っています。治療的角膜移植が必要な場合も迅速に対応します。

*アカントアメーバ角膜炎(下図):アカントアメーバは池や川、水道水などに広く生息している原虫です。アカントアメーバ角膜炎はコンタクトレンズの不衛生な使用(例:コンタクトレンズを水道水で洗う、レンズケースを定期的に交換していないなど)が原因で発症する場合が大部分を占めています。

下図のように角膜の中央が混濁してしまい、治療が遅れると視力障害が残り、失明の原因となりうる病気です。

1-2. ドライアイ

点眼治療に加え、涙点プラグ、涙点縫合などの治療を行っています。

1-3. 角膜ジストロフィ

角膜ジストロフィとはコレステロールやカルシウムなどの無機物が角膜に沈着して、両目の角膜が白く濁ってしまう遺伝性の病気です。軽度の場合は無症状ですが、加齢とともにまぶしさや視力低下を感じるようになります。治療としては、角膜移植やエキシマレーザーというレーザーを使用して角膜の表面の濁っている部分を削る方法があります。当院では角膜移植の他、エキシマレーザー(PTK、下記参照)を用いた治療も行っています。

角膜の治療方法

2-1. PTK(治療的表層角膜切除術:Phototherapeutic Keratectomy)

角膜(黒目)に混濁が進行し、視力が低下した場合に視力改善を目的に行うレーザー治療です。角膜の混濁している部分にエキシマレーザーを照射して角膜表層から実質の一部分までを切除することで、混濁を除去し矯正視力の改善を目指します。治療の対象となるのは角膜ジストロフィの中でも角膜実質ジストロフィ(例:顆粒状角膜ジストロフィ、格子状角膜ジストロフィ、斑状角膜ジストロフィ、膠様滴状角膜ジストロフィなど)や帯状角膜変性、角膜混濁などによって視力が低下している症例です。当院では角膜疾患を専門とする医師により、上記の疾患に対するPTKも積極的に行っております。

顆粒状角膜ジストロフィの角膜の写真です(下図)。透明なはずの角膜が部分的に白く混濁して、見づらい原因となっています。

PTKにより白い混濁はかなり減少し、見づらさは解消しました(下図)。

2-2. 角膜移植

角膜移植は、角膜の著しい混濁や変形のため点眼などによる保存的加療で治癒が見込めない場合に行う手術です。原因疾患は多岐に渡りますが、水疱性角膜症、円錐角膜、ヘルペス角膜炎、角膜白斑、角膜変性症といった疾患が代表的です。術式は全層角膜移植、表層角膜移植術、角膜内皮移植術、深層層状角膜移植などがあり、当院では執刀経験豊富な専門の医師が患者様一人一人に対しどの術式が適切に判断し、手術を行うことが可能です。

角膜移植は角膜を提供してくださるドナーなくしては成り立たない手術です。当院では国内ドナーだけでなく、アメリカからの輸入角膜を用いた手術が可能です。

2-2-1. 全層角膜移植術

全層角膜移植術は角膜を構成する“上皮層”、“実質層”、“内皮層”のすべてを切除し、提供していただいた角膜に置き換える手術です。病気の角膜を円形に切除し、ドナーからほぼ同じ大きさの角膜移植片を作成して、切除した部分に細い糸で縫い付けます。病変が角膜のすべての層にわたっている場合にこの術式を行います。治療の対象となるのは、水疱性角膜症や円錐角膜、角膜内皮変性症などです。

水疱性角膜症の角膜の写真です(下図)。角膜が曇っているため視力が低下しました。

全層角膜移植後には角膜中央が透明になり、視力が回復しました(下図)。

2-2-2. 表層角膜移植術

表層角膜移植術は、角膜“内皮層”は自分のものを残した状態で、角膜の表面側を構成する“上皮層”と“実質層”のみを切除し、提供していただいた角膜を移植する手術です。全層角膜移植の場合と異なり、角膜の病変が“実質層”の浅い部分にとどまる場合にこの術式を行います。

角膜穿孔といって、角膜に穴が開いてしまった方の写真です(下図)。

穿孔した部分をふさぐために表層角膜移植が行われました(下図)。

2-2-3. 羊膜移植

羊膜とは、赤ちゃんを包み、羊水を保っている薄い卵膜と呼ばれる膜の一部で、炎症や新しい血管が出てくるのを抑えたり癒着を防いだりする作用があります。羊膜移植は角膜や強膜などに羊膜を移植することで、新しい基質を供給し、角膜や結膜の上皮の再生を促します。また、羊膜は血管がなく移植しても拒絶反応を起こさず、合併症が少ないということが知られています。当院では難治性の角膜上皮びらん等の疾患に対して羊膜移植認定医による羊膜移植を行っています。

角膜の上を覆うように羊膜を移植したところです(下図)。

その他の眼表面の疾患と治療

3-1. 翼状片

翼状片とは結膜という組織が、角膜に向かって三角形に伸びてくる病気です。紫外線やコンタクトレンズの長期装用など慢性的に刺激が加わることで発症するとされています。血管が増えるため充血しているように見えたり、伸びてきた結膜が盛り上がるために目がごろごろしたりすることがあります。症状が進行すると角膜に侵入した結膜が縮んでしまい、角膜が引っ張られることで角膜にゆがみが生じて乱視を生じたり、結膜が角膜の中心まで侵入してくると視力が低下したりしてしまいます。視力に影響が出てくる場合には手術をして切除する以外の治療法はありません。当院では翼状片に対する手術治療経験も豊富であり、再発率が低く(0.9%)、再手術例にも対応可能です。

翼状片が角膜に侵入し、角膜がゆがんで乱視を生じています(下図)。

手術で翼状片を切除し角膜の表面はきれいに整い、乱視はほぼ解消しました(下図)。

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