聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

無痛分娩

更新日:2018年6月1日

無痛分娩のご案内

当院では、陣痛の痛みを和らげることのできる分娩方法の一つとして無痛分娩を提供しています。
産科医・麻酔科医・助産師が協同して安全な無痛分娩を実施できる体制を整えています。

無痛分娩をご希望の方

無痛分娩をご希望の方は妊婦健診で産科医師にお申し出ください。

妊娠20週以降から34週までに無痛分娩クラスを受講

無痛分娩クラスを受講していない場合は、スムーズに無痛分娩が行えない場合があります。
無痛分娩の可能性がある方は必ず受講してください。

妊娠36週ころに産科⿇酔科外来を受診

麻酔科医・周麻酔期看護師が問診・診察を行います。
休薬の説明を行います。
無痛分娩について詳しい説明と同意書をお渡しします。

無痛分娩の実際

入院

無痛分娩はLDRで行います。
LDR Labor and Delivery Room (Labor:陣痛 Delivery:分娩)

LDR

無痛分娩 硬膜外麻酔

硬膜外カテーテルを背中の腰のあたりから挿入します。座った格好または横向きに寝た姿勢で背中を丸めていただき、背骨の間が広くあくようにします。そうすることで背骨の間からカテーテルを入れやすくします。挿入されたカテーテルは背中にテープで貼り付け、反対側の先端を肩口から出します。カテーテル挿入後は上向きに寝ることも可能です。カテーテルを入れるときは、滅菌された物品を使用し、妊婦さんの背中を広く消毒して細菌などが体内に入らないようにしています。そのためカテーテル挿入時はご家族の同席をご遠慮いただいています。状況により脊髄くも膜下麻酔併用硬膜外麻酔を行うこともあります。

カテーテル挿入処置時の望ましい体位

© St. Luke's International Hospital
座った場合
© St. Luke's International Hospital
横向きに寝た場合

無痛分娩中の過ごし方

無痛分娩中は基本的にベッド上で過ごします。お手洗いなどはスタッフ付き添いで行います。状況により、数時間ごとに導尿で尿を排出させます。お母さんには血圧や酸素のモニター、胎児心拍陣痛モニターを常に装着して過ごして頂きます。麻酔開始直後は頻回に、その後も基本的には15分おきに妊婦さんの血圧を測らせて頂きます。ベッド上で姿勢を変更する場合は、スタッフが付き添いお手伝いをさせて頂きます。

無痛分娩中の注意

麻酔をはじめてからは安全のために食事をとることができなくなりますが、水分は少しずつ飲むことは可能です。

無痛分娩後麻酔科回診

翌日、麻酔後の経過をみさせて頂くために、麻酔科スタッフの回診があります。

安全対策

LDR全部屋には蘇生器具を常備しています。
スタッフは急変時に備えたシミュレーショントレーニングを行っています。

危機対応シミュレーション実施歴

2017年度 2017年10月16日

無痛分娩の麻酔

声明:日本麻酔科学会から本学会会員に対する提言「日本麻酔科学会の考える望ましい無痛分娩のあり方」(2018年6月1日)より

「無痛分娩は、健康である妊婦ならびに児のみならず合併症のある妊婦を対象とした麻酔診療行為であるため、安全性に充分配慮した責任体制で行うことが求められます。すなわち、麻酔科医は、産科医、看護師、助産師とのチーム医療として無痛分娩を実践できる体制において行うことが望ましいと考えます。」

聖路加国際病院の無痛分娩は、上記提言に則り麻酔科医が無痛分娩管理者となり、産科医、助産師、小児科医らとともにチーム医療を実践しています。

当院での無痛分娩の麻酔は麻酔科医が行います。

はじめに周麻酔期看護師による無痛クラスを受講していただき、妊娠約36週ごろに産科麻酔外来にて麻酔科医師の診察を受けていただきます。お産の当日は、担当麻酔科医がお部屋に伺い、無痛分娩のための硬膜外麻酔のカテーテル挿入などの手技をおこないます。無痛分娩が開始されると、麻酔科医・周麻酔期看護師が定期的にお部屋に伺い、鎮痛の範囲の診断・薬剤の調整・カテーテルの管理などを、赤ちゃんが誕生するまで継続して行います 。

無痛分娩に携わる麻酔科スタッフは全員がACLS(Advanced Cardiovascular Life Support成人二次救命処置)の資格を保有し、2年ごとに更新しています。麻酔中は、日本麻酔科学会の指針にもとづく麻酔のモニターを装着していただき、分娩エリアには緊急時にそなえ蘇生器具を常備し点検を行うなど、安全に最大限配慮した体制を整えています。さらに、十分な体制を整えていてもなお発生する偶発症に備え、定期的にシミュレーショントレーニングを行い、知識と技術、そしてチーム連携を保持するように努めています。

無痛分娩は、厳しい安全管理体制で行うべき医療行為でありますので麻酔科医が他の麻酔業務のため無痛分娩を安全におこなえない状況にあると判断した場合は、申し訳ありませんがお待ちいただくことがありますことを、予めご了承いただければ幸いです。

2018年6月1日
 聖路加国際病院麻酔科部長 長坂安子

診療実績

2017年度
診療実績
無痛分娩件数 313件
無痛分娩のうち経腟分娩件数 248件
無痛分娩のうち帝王切開件数 65件