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乳房再建

乳がんの手術により、乳房を失ってしまうかもしれない。それは女性にとって非常に大きな損失になります。手術後も旅行やスポーツを気兼ねなくしたい、子供と今まで通り入浴をしたい、理由は様々ですが手術前の生活に戻れるように乳房再建を通じて、皆様のお手伝いをしたいと考えています。

方法

自家組織（自分の組織）
人工乳房（インプラント）

行う時期

乳がんの切除術と同時に行う一次再建
切除術後期間をおいて行う二次再建

どのような手順でするか

1回の手術で再建まで行う一期再建
1回目の手術でエキスパンダーを入れておいて、後日再建の手術を行う二期再建

• 当院ではどの方法も行っており、二次再建は術後何年経っていても行うことが可能です。
• 乳房再建は乳腺外科や腫瘍内科の先生方と、適応と患者様のご希望を合わせてご相談の上、方法や時期を決めさせていただいております。
• 再建方法にはいくつか選択肢があります。ご希望の方法をお聞きしつつ、現状のご病状の中で選択できる方法をご提示しながら最終的な決定を一緒に考えます。
• がん治療という大きな壁の前で、再建という難しい選択を迫られ、精神的にも大きなストレスが生じると思います。すぐに決定が出来なくても当然です。納得がいくまでご相談をされてください。

自家組織（自分の組織を利用した）再建

当院では下記の二つの方法で行っております。

• 広背筋皮弁（背部から）
• 深下腹壁穿通枝動脈皮弁（腹部から）

広背筋皮弁

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  乳癌と同側の背部から皮弁を採取します

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  乳房の大きさ、皮島の有無によって採取する皮膚の位置は変わります

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  腋窩部の皮切を通して背部から胸部に組織を移動させます
  その際に筋体と広背筋の支配神経を切断します

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  通常は内胸動静脈に吻合しますが、胸背動静脈を使用することもあります
  術後は胸部に1本　腹部に2本のドレーンを入れます

深下腹壁穿通枝動脈皮弁

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  腹直筋前鞘上で使用する穿通枝を確認し、前鞘を切開し穿通枝を追い腹直筋裏面の深下腹壁動脈を確認して、移植する組織を挙上する

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  通常は内胸動静脈に吻合しますが、胸背動静脈を使用することもあります
  術後は胸部に1本　腹部に2本のドレーンを入れます

インプラント（人工物）による乳房再建

乳がんの手術（全摘術）では、皮膚を切除するため、そのままでは再建時に皮膚が足りなくなる事が多々あります。そのため、まず皮膚を伸ばすための組織拡張器（ティッシュエキスパンダー：TE）を挿入します。この手術は、乳がんの手術と同時にも（一次再建）、手術後しばらくたってからも行うことができます（二次再建）。 その後、外来で2～4週毎にTEを膨らませていき、6か月程度で拡張した皮膚が安定したところでインプラント入れ替え術を行います。

※術後の補助療法によっては、期間などは変更になる可能性があります。

インプラント入れ替え術の手術時間は、1～2時間程度、入院期間は約4日間程度です。手術に関する費用は保険適応ですが、高額療法費制度により約10～20万円となります（上限額は、年齢や所得によって異なります）。

乳頭乳輪再建

当院では、大きく分けて３つあります。

1. 乳頭は健側から移植、もしくは皮弁で作成し、乳輪の色調はtatooで入れる
2. 乳頭を健側から移植、もしくは皮弁で作成し、乳輪は鼡径部からの皮膚移植を行う
3. 健側と同じ形・色調の人工乳輪乳頭を作成する

	人工物	広背筋皮弁	深下腹壁穿通枝皮弁
入院期間	数日	２週間程度	２週間程度
手術時間	２～３時間	４～５時間	５～７時間」
治療方法の選択
妊娠、出産	○	○	要相談　帝王切開にはなる
腹部手術歴	関係なし	関係なし	開腹術の場合　不可能な事もある
再建乳房について
感触・温かさ	△	○	◎
異物感	ある	ない	ない
メンテナンス	年に１回のfollow	なし	なし
健側乳房との関係
下垂＊	合わせずらい	やや合わせずらい	合わせやすい
大きい乳房	やや合わせやすい	合わせずらい	合わせやすい
術後
傷跡	乳癌手術と同じ部位	新たに背部に１本	新たに腹部に１本
放射線治療	拘縮必発	問題ない	問題ない
術後合併症
感染の可能性	自家組織よりは高め	少ない	少ない
皮弁壊死	ない	少ない	可能性がある
委縮	拘縮による委縮	筋体の委縮	ない
拘縮	あり	ない	ない
腹壁弛緩	ない	ない	起こりうる可能性はある

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