腎臓病の治療方法

治療方法

血液透析

血液透析は、血液を体の外へ引き出し、機械を使って体にたまった余分な水分や老廃物(尿毒素)を取り除く治療法です。現在わが国では25万人以上の方が血液透析を受けられ、元気に生活されています。 わが国の血液透析の治療成績は世界最高ですから、安心して治療をうけることができます。

血液透析の仕組み


血液を体外へ出し、人工腎臓(血液透析器=ダイアライザー)を用いて、血液中の老廃物(尿素窒素、クレアチニン、尿酸、K、Pなど)や余分な水分を取り除き、浄化されたきれいな血液を体内へ戻します。
このためには、体から血液をとりだす部分と、きれいになった血液を体に戻す部分が必要なので、手術で腕の血管を太くします。動脈の一部と静脈の一部をつなぐことで、動脈の血液一部が直接静脈に流れ込むようにしたものを「シャント」とよび、ここに2本の針を刺して血液の取りだし口と戻り口とします。

1回4時間、週3回通院して治療をおこなうのが標準です。わが国では25万人以上のかたが血液透析を続けており、特殊な治療ではなく確立した安全な治療と考えられています。

ほとんどの方は血液透析を受けることができますが、血管が細く、シャント作成が困難な場合や心臓のはたらきが極度に悪い場合には腹膜透析を勧められる事があります。

シャントについて


血液透析をおこなうには1分間に約200mlの血液を体外に取り出す必要がありますが、腕の表面にみえる静脈に針をさしても十分な血液量をとることはできません。動脈に針をさせば十分な血液を得ることができますが、動脈は腕の深い位置にあり見えないこと、周囲に神経があるため針を刺すときの痛みが強いことから週3回の透析で使用するのには問題があります。このため、腕の静脈と動脈を吻合すれば、動脈の血液が腕の表面にみえる静脈を流れるため、十分な血液量が得られ、針を刺すのも容易ですし、痛みも軽くてすみます。動脈と吻合して太くした静脈をシャントと呼びます。手術は局所麻酔で行われ、通常1時間から2時間の手術時間です。 手術後実際に使えるようになるまでは2~4週間かかるので、透析直前になってあわてて手術をするよりは、透析が必要になる3~6ヶ月前に余裕をもって手術することをお勧めしています。

血液透析の長所


日本で透析を行っている方の95%以上が血液透析を行っているために、腹膜透析に比べ、治療が行える施設の数は充実しています。血液透析の性能は腹膜透析をこえており、自分の腎臓の働きが喪失していても、血液透析によって十分な毒素を除去することが可能です。

透析施設では、透析専門のスタッフが機械の操作をおこなうため、自分で機械の操作をしなくてよいという気楽さがあるでしょう。透析を受けている時間以外は自由に行動することができること、週4日は透析療法から解放されるということも利点かもしれません。

国内・海外旅行も可能です。透析日が旅行期間と重なる時には、事前に旅行先の透析施設に連絡をとり、臨時透析の申込を行う必要がありますが、比較的大きな都市であれば、透析施設の数も充実しているので問題はありません。もっとも離島や小さな町へ旅行される際には、透析施設の数に限りがありますので注意が必要です。

血液透析の短所

決められた時間に透析施設に必ず行かなくては治療が出来ないために、物理的な拘束感を感じる事があるかもしれません。透析施設を選ぶ場合には自宅あるいは職場の近くの施設を選ぶことをお勧めします。

血液を体の外に取り出しますが、このときに血液が固まらないようにするため抗凝固薬(血液をさらさらにするお薬)を使用します。そのため腹膜透析に比べ治療中の出血の危険があります。

透析の度に血管に針を刺しますから穿刺の痛みを我慢しなくてはなりません。
24時間、365日連続した治療である腹膜透析と異なって、血液透析は2日間にたまった水分、毒素を4時間で取り除くため、体に少し負担がかかります。たいていの方は透析療法後にちょっとしただるさを感じる程度ですが(ジムに通って運動をした後の疲労に似ています)、体力がないかたや心臓のはたらきが弱っている方では透析療法の後で休まなくてはならないこともあります。

食事療法は血液透析を継続するために欠かすことができません。塩分、水分、カリウム、リンなどの制限が必要ですが、カリウム制限は腹膜透析に比べ厳しくなります。

腹膜透析にかかる費用

透析の費用は1ヶ月あたり40万円前後かかりますが、人工透析を必要とする慢性腎不全の方は、健康保険の高額療養費制度で、「特定疾病療養受療証」あるいは「老人保健特定疾病療養受療証」を取得すれば自己負担限度額を1医療機関あたり月額1万円(高額所得者は2万円)にする制度があります。ただし当院に入院される場合には、差額ベッド代がかかることがありますのでご了承ください。

血液透析の実際

週3回透析施設に通って治療を受けます。
透析時間は1回に4時間が標準です。

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