先輩メッセージ

先輩紹介

岩田さん

患者さんやご家族に寄り添い本来の力を引き出したい

岩田さん入職年 : ①1995年 ②2002年所属 : 外来系Ⅰ 精神看護専門看護師

学びと現場、双方からの視点を大切に

新人として外科系病棟に入職。一旦退職し、教育に携わるなかで臨床が好きな自分を再認識したことから同じ病棟に舞い戻りました。復帰後は乳癌専門病棟の変革期で、多職種チーム医療の体制づくりを通して看護独自の視点が培われたように思います。終末期の患者さんの多くは外来での長い治療期間を経ていることから、より生活に根差した看護、サバイバーシップへの関心が高まったことで外来に異動。そこで心のケアに難渋した経験から、さらにサイコオンコロジーの知識を深めて現場に還元したいと、精神看護CNSコースに進学しました。復職後の2016年に精神看護専門看護師の認定を受け、現在は外来スタッフとして勤務しながらコンサルテーション活動を行いつつ、チーム内での役割を模索中です。

岩田さん

私の役割、それは患者さんの心の変化を読み取ること

現在、外来Ⅰ(オンコロジーセンター、ブレストセンター)には約7名のCNS、CNが所属し、それぞれが専門性を活かして質の高いケアを提供できるよう連携しています。患者さんが“その人らしく”、“がんと共に生きる”ことができるよう、私は精神看護の視点から支援しています。看護は患者さんの回復や適応を促進しますが、患者さんが強いストレス下にあったり、より複雑な背景がある場合などは、患者さんと看護師双方の心に変化が生じ、関わり自体が困難になったりもします。そのようなときにスタッフと協働しながら状況を読み解き、介入方法を検討していきます。必要と判断したときは、看護専門外来での面談や精神科医との調整も行います。その他、リエゾンチームやメンタルケア検討会、精神看護に関する教育プログラムの運営にも関わっています。

岩田さん

患者さんやご家族が孤独を感じないように寄り添う

看護師は、生老病死に直接的にかかわります。病いを経験し、ときには死と向き合う患者さんをケアすることは、看護師自身の気持ちを見つめたり、価値観を問われる場面も多く、難しさを感じる点でもあります。ただ、看護にはただ一つの正解はなく、患者さん自身やチームと協働しながら、その人にとってより良いケアを模索していくこと、しっくりくるケアを見つけていくことこそ、看護ならではの面白さと感じています。看護に大切なことは、患者さんやご家族が孤独にならないよう寄り添っていくこと。対話やさりげないコミュニケーションを通して、患者さん本来の力が発揮されるのを目の当たりにすることで、逆に多くの学びや励みにもなる仕事です。

学生さんへのメッセージ

聖路加の「チーム医療」の歴史は長く、多職種それぞれの立場を尊重・信頼しながら、有機的に活かしあう文化・風土があります。看護の力を信じる仲間と共に、看護の楽しさを模索しませんか。

看護師に必要なチカラ

精神看護には、患者と看護師双方の気持ちや想いを想像し、推測ではないコミュニケーションを通して確認し、共感に近づいていくプロセスこそが重要だと思います。「わかってもらえた感覚」で心は安らぎ、力を取り戻すことができるからです。そのような環境を作るには、多職種・他部門・ご家族を含めた調整力が重要です。ときに自身の感情が強く揺さぶられることもありますが、第三者のサポートを得て俯瞰した視点を取り戻すことや、脱力するときを持つことも必要だと思います。看護師自身をケアしなければ、良いケアもできませんからね。

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