患者さんにとっては待ち時間が短くなること、医師にとっては入院患者さんへの対応や教育・研究の時間を確保できること、これらの要望をかなえる為のルールとして「事前予約制」を作り、その内容に理解を得られたことが、外来待ち時間を短縮できた大きな要因の一つでした。
事前予約制は、受付係が日々の予約枠を設定し、予約センターがその枠を超えないように予約を取り、総合医療相談室が登録医や連携医療機関を患者さんに案内し、医師が時間どおりに診察するよう心がけることで成り立っています。
患者さんの人数や要望、医師の体制は日々変わりますが、そのたびにこれらのメンバーが集まり、新しい運用方法を考えています。このような役割分担とチームワークが、外来待ち時間を再び伸ばさないような歯止め効果になっていることが分かりました。
全体で見ると外来待ち時間は短縮されましたが、いくつかの診療科では未だに半分以上の患者さんが30分以上待たされています。今後は診療各科の個別の事情に焦点を合わせて、すべての診療科で待ち時間を30分以内にすることを目標に活動していきたいと考えています。
事前予約制が導入され、外来待ち時間は短縮されましたが、「初診患者さんの予約を取りにくい」というご意見を多くいただくようになりました。初めて当院を利用される患者さんや、久しぶりに当院での受診を希望される患者さんが日を待たずに予約を取れるよう、予約枠の設定方法を見直す必要があります。