聖路加国際病院では、Quality Indicator(QI)を比較・数値化し公開いたします。

指標

女性健診受診者での乳房検査受診率

  1. 指標
  2. 要因分析
  3. 改善策
  4. 結果
  5. まとめ

女性健診受診者での乳房検査受診率

乳房検査受診率(マンモグラフィまたは超音波)40歳以上のグラフ
乳房検査受診率(マンモグラフィまたは超音波)50歳以上のグラフ

現在、日本の女性が最も多くかかるがんは、乳がんです。40~50歳代の女性では、がん死亡原因の第1位となっており、罹患率、死亡率ともに著しい上昇傾向にあります。欧米でも罹患率が上昇していて、乳房X線撮影(マンモグラフィ;MMG)による検診を普及させる努力がなされています。

乳がん検診受診率の向上や治療法の開発により死亡率が減少してきており、検診による早期発見の重要性が確認されています。わが国では、これまで視触診が行われていましたが、早期発見のためには、視触診では不十分であることが厚生労働省により示されました。2000年より、老人保健事業の一環として、50歳以上の女性にMMG検診が導入されましたが、全国的には検診受診率は20%にも届いていません。

人間ドック受診者の乳がん検診受診率を上げることは、病気の早期発見につながるため、医療の質の向上を示しているといってよいでしょう。

なお、わが国では40歳代の女性に乳がんが多いため、厚生労働省は、2006年4月から乳がん検診対象者を40歳代に下げました。この年代の閉経前の女性では、乳房全体が白く写る(高濃度乳房)ため、MMGでは病変を検出しにくいことがわかっています。そのため、当センターでは、40歳代の方には超音波検査(ultrasonagraphy;US)による検診も受けるよう勧めています。

MMGとUSをあわせた精度の高い検診を受診していただくことで、乳がんを早期発見できるよう努力しています。