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前立腺がん
治療の目的
手術に代わる前立腺がんの根治的な治療法として外部放射線治療、密封小線源永久挿入治療があります。当院では、リスク分類(PSA値やグリソンスコアなどの予後因子によって決定される)に応じていくつかの治療法をご提案しています。
リスクや骨盤内の転移の有無によって、ホルモン療法との併用や骨盤領域への照射を行うことがあります。
治療方法
前立腺がんへの外部放射線治療
前立腺がんへの根治的治療として、当院では強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy; IMRT)を実施しています。より精度高く治療を行うために、事前に前立腺内に金属マーカーを挿入・留置し、これを使用して照射前に位置照合を行う画像誘導放射線治療(Image-Guided Radiation Therapy; IGRT)という技術を導入しています。
これらの技術により前立腺に限局して放射線を照射することが可能になっただけでなく、周辺の正常組織への被ばくを低減することができるようになりました。放射線による直腸や膀胱の副作用の軽減が見込まれます。
当院では、VMAT(Volumetric Modulated Arc Therapy)という方法(IMRTの方法の一つ)を採用しており、照射にかかる時間が1分30秒程度になります。そのため位置照合を含めても15分程度と短時間で終えることができます。
スケジュールとしては78Gy/39回で実施しています。
前立腺がんIMRT(VMAT)の治療概念の動画
前立腺がん術後への外部放射線治療
前立腺全摘出術後に、PSA値の再上昇がみられる場合があり局所再発が疑われます。このような場合に、前立腺があった部分に対して放射線治療を行います。根治的治療と同様にVMATによる治療を実施しています。スケジュールとしては70Gy/35回で実施しています。
スケジュール(治療開始までの流れ)
- 放射線腫瘍科での診察
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- 医師による診察を行います。治療の内容(目的、治療方法、前処置、副作用等)について説明します。
- 治療計画用CT
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- 治療のための照射方向や範囲を決めるCTを撮影します。毎回同じ姿勢を保つことができるよう患者さん専用の固定具を作成したり、補助具を選択したりします。また、位置決めのために体に専用マジックで印を書きます。この印は、非常に重要なので治療終了まで消えないようにします。このCTは2日間行い、再現性の確認を行います。
- 治療開始
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- 原則として治療計画用CTから2週間後(休日は除く)から治療開始となります。治療は平日の週5日同じ時間に行います。原則として休日・祝日はお休みになります。(※祝日が月曜日にあたる場合、年末年始、ゴールデンウィーク、シルバーウィークは治療日になることがあります。)予定等でご都合がつかない場合はご相談ください。
- 治療にかかる時間は15分から20分程度になります。
- 治療中・後の診察
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- 治療中は週1回の放射線腫瘍医による診察と、看護師・放射線技師による患者さんの体調の確認や問診を行います。
- 治療終了後も経過観察を行うため定期的な診察を行います。