聖路加国際病院では、 Quality Indicator(QI)を比較・数値化し公開いたします。

結果

褥瘡発生率

  1. 指標
  2. 要因分析
  3. 改善策
  4. 結果
  5. まとめ

褥瘡発生率

表1 新規褥瘡発生患者数
表2 重点診療科の新規褥瘡発生件数 表3 深度別 新規褥瘡発生件数

2008年の新規褥瘡発生率は0.6%と、残念ながらわずかな増加となりました(図1)。 2007年に比べて救急車の受入台数が20%以上増加し、病院全体の入院患者の重症度を引き上げていることが要因の一つとして考えられますが、実際の相関関係については今後の分析が必要です。

重点診療科として対策を実施した、緩和ケア病棟と呼吸器内科病棟の新規褥瘡発生件数は、表2の通りとなりました。本格的に対策を実施する前と後で発生件数を比較したところ、多少の増減はあるものの、ほぼ横ばいでした。この2つの診療科については、もう一度詳細な「(2)要因分析」をおこない、今回実施した対策が妥当なものであったかどうかを検証したいと考えています。

一方、深度別の新規褥瘡発生件数は表3の通りで、2008年後半は、最も深い深度D4以上の褥瘡が1件も発生しませんでした(2008年7月以降、6か月連続でD4以上は0件)。これは、新しい体制《形成外科医師、皮膚科医師、専従の褥瘡管理看護者(皮膚・排泄ケア認定看護師)、管理栄養士》による褥瘡回診の効果が出ているものと考えています。