聖路加国際病院では、 Quality Indicator(QI)を比較・数値化し公開いたします。

指標

処置テンプレート記入率

  1. 指標
  2. 要因分析
  3. 改善策
  4. 結果
  5. まとめ

処置テンプレート記入率

処置記録テンプレート記載件数

患者さんの治療のために、病院ではさまざまな「処置」が日夜行われています。ここで言う「処置」とは、薬の服用やリハビリなど患者さんご自身によって行われる治療行為ではなく、医療スタッフの手によって患者さんに対して行われる治療行為を指します。たとえば、看護師が患者さんの体を拭き、医師が傷の消毒をすることなどです。

処置のなかには、医療用の管を挿入する、針を刺すなど、違和感や時として痛みを伴う、「危険処置」といわれるものがあります。全国的には、これらの危険処置をいかに安全に実施するかに関して、昨年から始まった「医療安全全国共同行動」の行動目標にも含まれ注目されています。

当院では、危険を伴う処置をより安全に実施し、合併症を限りなく少なくするために大きな努力を払っています。例えば、これらの処置に合併症が発生した場合には、「インシデントレポート」という詳細な報告書の提出を義務付けています。このレポートに基づいて調査を行い、合併症がなぜ発生したか、その原因から検討し、同じ問題が二度と発生しないよう生かされています。

一方、成功裏に行われた処置に関しても、より詳細な情報を収集し、最終的には重大な合併症につながりうる小さなトラブルも漏らさず記録することが、処置の安全性向上に不可欠です。また、記録を残すだけでなく、「場合によっては危険な処置を行っている」という認識を常に医師、看護師が持つことも大切です。そのため、広く一般に行われる危険処置(中心静脈カテーテル挿入術、胸腔穿刺・ドレナージ術、腹腔穿刺・ドレナージ術、腰椎穿刺、骨髄穿刺、心嚢穿刺、気管切開術)に関する記録を、医師・看護師が協力して、全病院統一の「処置記録テンプレート」に残すことを義務付けることとしました。

「処置記録テンプレート記入率」は、当院の医師・看護師が処置を安全に実施しようと意識していること、さらにその記録を残し今後の対策に生かそうとしていることを示す重要な指標になります。