「褥瘡発生率」には、予防の側面(新規発生ゼロ件)と、治療の側面(多職種が関与するケア)があると考えています。これまでの活動において、治療においては、ある一定の成果をあげることが出来ましたが、予防に関しては、まだまだ課題が残されていると考えています。
重点診療科として対策を講じた「緩和ケア病棟」と「呼吸器内科病棟」での、褥瘡発生件数を改善することができませんでした。行った対策が正しかったのか、他に有効な対策があるのではないか、などを検証し、次年度は発生率を下げられるよう、取り組んでいきます。
栄養・呼吸・循環状態の不良などに伴う組織の耐久性の低下、皮膚への排泄物・汗による刺激や物理的刺激、るいそうや拘縮による著明な骨突出など様々な要因が絡み合って褥瘡は発生します。そのため体圧分散寝具の使用や、看護師による2時間毎の体位交換や日常生活援助などが実践されていても予防は完璧ではありません。医療者がチームとなって全身や栄養状態の改善、拘縮の予防、減圧・除圧対策、局所治療を展開していくことが重要です。