電子カルテに、患者さんの血圧データを、事後に抽出可能な状態で記録するためには、「バイタルサイン*・テンプレート」と呼ばれる専用の入力画面から、血圧値を入力する必要があります(図1)
血圧値が入力されていないケースを詳細に調べてみると、(1)カルテのどこにも血圧データが無い、(2)カルテに記載はあるものの、決められた欄に書かれていない、の2通りがありますが、大半のケースが(2)の理由によるものであることが分かりました。つまり、測定された血圧値が、テンプレートに入力されていないところに原因があったのです。(図2)
そこで、前項の要因分析での結果も踏まえて、下記のような対策を実施しました。
降圧薬の処方件数が多く、かつ入力率が低い診療科への介入から始めました。診療科のカンファレンスで、血圧ガイドラインの勉強会を行い、QIの観点から血圧をモニタ-していくことの重要性と電子カルテへの入力方法を確認しました。また、入力率が低い医師へは個別にフィードバックを行いました。
上記の診療科以外にも、患者数が多く、入力率が低い医師に対して、循環器内科の医師が個別にアプローチをし、テンプレートの使用方法についての説明をしました。
*バイタルサインとは、患者さんの全身状態を把握する上で最も基本となる身体的なサインのことで、体温、脈拍(心臓の鼓動)、血圧、呼吸数のことを指します。