聖路加国際病院では、Quality Indicator(QI)を比較・数値化し公開いたします。

  • 急性期医療に関する指標
  • がん診療に関する指標
  • 生活習慣病に関する指標
  • 医療安全に関する指標
  • 病院経営に関する指標

改善策

降圧薬使用者における血圧コントロール

  1. 指標
  2. 要因分析
  3. 改善策
  4. 結果
  5. まとめ

降圧薬使用者における血圧コントロール

バイタルサイン・テンプレートの画像
望ましい血圧値入力の流れの図

電子カルテに、患者さんの血圧データを、事後に抽出可能な状態で記録するためには、「バイタルサイン*・テンプレート」と呼ばれる専用の入力画面から、血圧値を入力する必要があります(図1)

血圧値が入力されていないケースを詳細に調べてみると、(1)カルテのどこにも血圧データが無い、(2)カルテに記載はあるものの、決められた欄に書かれていない、の2通りがありますが、大半のケースが(2)の理由によるものであることが分かりました。つまり、測定された血圧値が、テンプレートに入力されていないところに原因があったのです。(図2)

そこで、前項の要因分析での結果も踏まえて、下記のような対策を実施しました。

診療科別の介入

降圧薬の処方件数が多く、かつ入力率が低い診療科への介入から始めました。診療科のカンファレンスで、血圧ガイドラインの勉強会を行い、QIの観点から血圧をモニタ-していくことの重要性と電子カルテへの入力方法を確認しました。また、入力率が低い医師へは個別にフィードバックを行いました。

医師別の介入

上記の診療科以外にも、患者数が多く、入力率が低い医師に対して、循環器内科の医師が個別にアプローチをし、テンプレートの使用方法についての説明をしました。

*バイタルサインとは、患者さんの全身状態を把握する上で最も基本となる身体的なサインのことで、体温、脈拍(心臓の鼓動)、血圧、呼吸数のことを指します。