聖路加国際病院では、Quality Indicator(QI)を比較・数値化し公開いたします。

まとめ

女性健診受診者での乳房検査受診率

  1. 指標
  2. 要因分析
  3. 改善策
  4. 結果
  5. まとめ

女性健診受診者での乳房検査受診率

まとめ

5年前は、40歳以上が70%、50歳以上が68%の受診率でしたが、現在ではそれぞれ、86%、88%にまで上がり、どちらも20ポイント近い改善を達成することができました。費用の安い(中には無料のケースもある)公的な検診ではなく、しかも追加料金の発生するオプション検査の受診率としては、かなり高いレベルにまで上がったといえると自負しています。

これは、乳がん検診への社会的な意識向上もさることながら、各部署のスタッフが、受診者や外部団体への情報提供、予約時の積極的勧奨、検査実施の体制作りなどに積極的に取り組み、チームとしてより良い検診提供に取り組んだ成果だと考えています。

また、QIという目に見える形で「受診率」を取り上げることによって、他部署のスタッフがひとつの目標を共有して取り組んだこと自体が、センター内をチームとして活性化したとも考えます。

今後の課題

データの整備

現在の「未受診者」の中には、一定期間内に別の検査機関で乳房検査を受けているなど、何らかの理由で当センターでは乳房検査を実施する必要のない方が含まれています。

したがって、当院でコントロール可能な「受診率」を算出するためには、分母に含まれている女性健診受診者の中から、乳房検診の対象外となる受診者を、データ上除外する必要があります。しかし、これは現在の問診表とシステム連携では難しく、今後の問診変更、システムバージョンアップを待つことになります。

更なる質の向上

この高い受診率を維持すると同時に、今後の医学の進歩、新たな科学的根拠を取り入れつつ、最高の健診のありようを探り、「乳房検査の質」そのものの向上に努めていきたいと思います。