聖路加国際病院では、Quality Indicator(QI)を比較・数値化し公開いたします。

指標

乳癌患者での乳房温存手術の割合

  1. 指標
  2. 要因分析
  3. 改善策
  4. 結果
  5. まとめ

乳癌患者での乳房温存手術の割合

乳房温存手術の割合のグラフ

乳房温存療法(乳房温存手術・放射線療法)は、早期乳癌に対する標準治療とされています。乳癌手術では、腫瘍を包むように取り除くことと、術後の整容性のバランスを考慮して術式が選ばれます。このため、乳房温存療法は、主に3cm以下の乳癌に適応されてきました。

つまり、マンモグラフィなどの検診を積極的に行い3cm以下の早期乳癌の患者さんを多くみつけることのできる施設では、乳房温存療法の比率が高くなります。また、外科医だけでなく、放射線診断医、放射線治療医、病理診断医といったチーム医療の体制が整っていることも大切です。

当院の予防医療センターでは、年間10,000人を超える受診者に、マンモグラフィ検診に加えて、50歳未満の方には、超音波検診も行われていて、早期乳癌の患者さんが発見される割合が高くなっています。

また、乳癌の診断と治療を専門に行う「ブレストセンター」が設置され、専門医間での協力態勢が整っているため、他院での検診で発見された早期乳癌の患者さんも数多く紹介されて来ます。大きな乳癌の場合でも、積極的に術前化学療法を行うことで腫瘍の縮小を図り、MRIと超音波を用いた精緻な診断を行うことで、乳房温存手術が適応となる患者さんが多くなっています。