聖路加国際病院では、Quality Indicator(QI)を比較・数値化し公開いたします。

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まとめ

入院患者での転倒・転落発生率

  1. 指標
  2. 要因分析
  3. 改善策
  4. 結果
  5. まとめ

入院患者での転倒・転落発生率

指標改善のカギ

転倒・転落防止のための施設環境整備

当院で発生した転倒・転落事例の分析結果に対応した対策として、手すりを設置したことが、転倒・転落発生件数の減少に関係があったと考えています。

転倒・転落のリスクアセスメントと予防策立案

アセスメント項目を見直し、アセスメントと予防対策を電子カルテ上で実施できるようになり、患者さんの転倒・転落予防が的確に、そして早期に行えるようになりました。

患者さんへの説明と患者さんとの協力

当院では、転倒・転落のリスクアセスメントの結果と転倒・転落予防対策について、患者さんとご家族に文書を用いて説明を行っています。睡眠薬を服用した夜間などは、トイレへの移動時にはナースコールで看護師を呼び、一緒に移動していただくことが安全だということを、患者さんに説明して協力していただくことが予防につながっていると考えています。

今後の課題とさらなる改善へ向けた計画

転倒・転落リスクアセスメント項目の洗練

当院では、文献を参考に、13項目から成る転倒・転落アセスメントシートを作成し、入院患者のリスクアセスメントを実施していました。それらの各項目と転倒・転落の有無との関連について、当院のデータから統計学的な分析を行いました。その結果、7項目を採用して、今年度から新しいリスクアセスメントを導入し、運用を開始しています。今後は、この新しいアセスメントの効果を継続的に評価していくことが重要であると考えています。

新たなプロセス指標の導入

予防策と転倒・転落発生に関する分析作業の中で、リスクアセスメントから次のことが分かりました。転倒・転落のリスクが高いと判断された患者さんの予防対策について、患者さんまたはご家族に、予防策実施に協力を得るよう文書で説明を行った場合は、転倒・転落の発生が有意に少なくなるという結果が出ました。 そこで今年度から「予防対策説明書発行率」という指標を導入し、改善するための取り組みを開始しています。