聖路加国際病院では、Quality Indicator(QI)を比較・数値化し公開いたします。

要因分析

腎機能コントロール

  1. 指標
  2. 要因分析
  3. 改善策
  4. 結果
  5. まとめ

腎機能コントロール

HbA1c<7.0% にコンとロールできている患者比率
血糖降下薬の処方比率

慢性腎臓病の患者さんの中でも特に、尿たんぱくのある人や糖尿病を患っている患者さんに対しては、ACEIやARBを処方することで腎不全(透析が必要な状態)になることをある程度予防できることがわかっています。

そこで、当院の慢性腎臓病の患者さんを、

  • ・糖尿病なし、尿たんぱく(-)
  • ・糖尿病なし、尿たんぱく(+)
  • ・糖尿病あり

の3グループに分けたところ、「糖尿病あり」と「糖尿病なし、尿たんぱく(+)」のグループに属する患者さんが全体の46%を占めることが分かりました。(図A)

そこで、この2グループの患者さんを「処方が必要なグループ」と定義し、このグループの患者さんに対するACEI・ARB処方率アップを目指すことにしました。

続いて、「処方が必要なグループ」の患者さんが、どの診療科を受診しているかを分けて見てみました。すると、「腎臓病クリニック」、「腎臓内科」、「透析センター」を受診している患者さんが全体の57%を占めていました(図B)。この3つの科は全て「腎臓内科」に属しますので、腎臓内科の医師に対する介入から始めることにしました。