前項で分析した要因それぞれについて、以下のような対策案を実施、もしくは計画しました。
この時間を短くするためには、「ERの処理能力」を上げることが求められます。ERの処理能力は、「医師1人あたりの処理能力×医師数」で表すことができます。特に時間を要していた夜間帯にER医師の数を増やすことで、夜間に救急を受診する方の入院までの時間短縮を目指しました。
2人の内科的疾患を持つ患者が同時にERを受診した場合、現在の体制ではその2人を並行して診察することができません。そのため、後から診る患者の入院までに要する時間が長くなってしまいます。そこで、内科の専門研修医(3年目以降の医師)がサポートすることで、同時に2人の患者の入院判断が出来るように、ERと内科との間で調整を進めています。
退院の予定がある患者さんに時間通りに退院していただく取り組みや、必要な部屋に必要なときに清掃に入れるような仕組みづくりや、夜間の人手が足りない状況で、患者さんをERから入院病床に移動するためのルール(役割分担)づくりなどに着手していますが、3つのプロセスの中では所要時間が最も短いため、期待される短縮効果は限定的と考えています。