2008年後半は75%台まで改善しましたが、2009年に入り、救急受診から4時間以内で入院に至った患者さんの割合は低下傾向にあり、2009年5月には、65%を割り込んでしまいました。(目標は80%超)
直近3か月間の、各プロセスごとの平均所要時間を、4時間以内に入院した患者群(A群)と、4時間以上かかった患者群(B群)で比較したグラフが図(2)です。ここで目立つのは、A群のER診療時間の伸びです。3月には67分だったのが、5月には91分と、24分(36%)長くなっています。このプロセスが24分長くなったことで、これまでなら4時以内に入院できていた患者が、4時間以上かかってしまい、全体の数値を押し下げたのではないかと考えています。
この背景には、当院が教育病院である、という要因もあります。当院には、毎年4月に一年次研修医が入職します。新人は、あらゆる場面で時間が必要です。それは技術的な側面だけでなく、必要なモノがどこにあるのかを知らない、というような、業務に対する「慣れ」の要素もあります。
我々は、こうした季節変動を加味しても、多くの患者さんが4時間以内に入院出来るような仕組みを構築する必要があります。