この指標は救急部だけの力で解決されるものではありません。受付、検査、担当となる診療科、患者を受け入れる病棟スタッフや清掃担当者など、救急車から病棟までのあらゆるプロセスがスムーズに進むことではじめて改善が達成される指標です。
「ERでの診療」「担当診療科の診療」「病棟調整・移動」の3つのプロセスそれぞれのパフォーマンス向上もさることながら、相互の連携がもっとスムーズに、あるいは、後のプロセスが前倒しで実施されるようにすることで、指標が大きく改善します。
「04結果」の章でも触れましたが、教育病院でもある当院では、毎年4月に新人が入ると指標が悪化し、そこから年度末にかけて徐々に改善するという傾向があります。新人を指導する場面では、どうしても通常よりも時間をかけなければならないことがあるため、ある程度の時間延長は避けられません。しかし、新人が入っても、ER受診から入院まで4時間以内の患者さんが80%以上になるように、全体のパフォーマンス向上に努めていきたいと思います。
季節によるバラツキ以外にも、時間帯によるバラツキ、担当診療科によるバラツキなどが存在しています。これらのバラツキを全て排除することは困難ですが、少しでもバラツキが少なくなり、どのような条件のもとでも、ある一定の時間内で入院が決定されるような体制を構築していく必要があると考えています。