聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

リウマチ膠原病センター

2. 高安動脈炎

高安動脈炎って何?

高安動脈炎は大血管炎に分類される血管炎で、大動脈(心臓から出ている体の中で一番大きな動脈)並びに大動脈からの分岐する第一分枝に炎症が起きてくる血管炎です。日本人眼科医の高安右人先生が発見された病気です。若い女性に多い病気です。

高安動脈炎の症状って?

症状には個人差があります。また、どの血管が侵されているかによって症状が変わってきます。全身性の症状としては、発熱、倦怠感、体重減少などを来します。全身性の症状しかない方もいらっしゃいます。腕を栄養する血管が細くなると、腕の血流が不足し、特に腕を使った際の痛みが強くなる間欠性跛行と呼ばれる症状が見られます。足にも同様の症状を来すことがあります。首の血管が侵されると、脳に行く血流が減るため、最悪の場合はそう梗塞を起こすということもあり得ます。俗に脈なし病ともよばれ、腕の脈が触れにくくなることがあります。また、腕で血圧の測定ができないということもあったりします。

どのように診断をするの?

血液検査や画像検査などを組み合せて行います。特に血管の形状を調べるために、CTやMRを用いた血管造影は重要な検査となってきます。現時点では保険適応はありませんが、PET-CTも診断に有用であるとされています。

原因はなに?

現時点では、原因は不明です。しかし、どの様な免疫の異常で起こってきているのかが解明されつつあり、新たな治療法も徐々に開発されつつあります。

どのように治療をするの?

免疫が血管の炎症を起こすことによって起きてくる病気なので、免疫を抑える必要があります。ステロイドを治療に用いますが、症状や重篤度に合わせて量を変化させます。ステロイドに加えて免疫抑制剤を併用して、ステロイドの副作用がなるべく出ないように治療をします。生物学的製剤も日本の保険適用になりましたので、病状に合わせて使用を検討します。

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