聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

リウマチ膠原病センター

3. 巨細胞性動脈炎

巨細胞性動脈炎って何?

巨細胞性炎は高齢者によく起こる病気で、別名、側頭動脈炎とも呼ばれます。大血管炎に分類される血管炎です。

巨細胞性炎の症状って?

症状には個人差があります。どの血管が侵されているかによって症状が変わってきます。高齢発症の頭痛、ものを噛むにつれて起きてくる顎の痛み、頭皮の違和感などが起こります。眼の動脈が侵されると、失明することもあります。高齢者で起こるリウマチ性多発筋痛症を併発する方もいます。リウマチ性多発筋痛症では、首から肩にかけてや臀部のあたりの痛みやこわばりを朝に強く感じることがあります。全身性の症状としては、発熱、倦怠感、体重減少などを来します。全身性の症状しかない方もいらっしゃいます。腕を栄養する血管が細くなると、腕の血流が不足し、特に腕を使った際の痛みが強くなる間欠性跛行と呼ばれる症状が見られます。

どのように診断をするの?

血液検査や画像検査などを組み合せて行います。エコーの検査によって、特徴的な所見が側頭動脈や顔面動脈、腋下動脈にみられることがあります。確定診断は側頭動脈の生検によって行います。また、大型の血管の炎症を疑う場合は、CTやMRを用いた血管造影が重要な検査となってきます。現時点では保険適応はありませんが、PET-CTも診断に有用であるとされています。

原因はなに?

現時点では、原因は不明です。しかし、どの様な免疫の異常で起こってきているのかが解明されつつあり、新たな治療法も徐々に開発されつつあります。

どのように治療をするの?

免疫が血管の炎症を起こすことによって起きてくる病気なので、免疫を抑える必要があります。ステロイドを治療に用いますが、症状や重篤度に合わせて量を変化させます。ステロイドに加えて免疫抑制剤を併用して、ステロイドの副作用がなるべく出ないように治療をします。生物学的製剤も日本の保険適用になりましたので、病状に合わせて使用を検討します。

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