4. 結節性多発動脈炎
結節性多発動脈炎って何?
中型の血管に起こる病気です。B型肝炎との関連性がある場合があります。中年に起きてくる病気で、稀な病気です。全身性に起きてくることがありますが、皮膚にのみ症状が起きてくる皮膚限局性のタイプもあります。
結節性多発動脈炎の症状って?
症状には個人差があります。どの血管が侵されているかによって症状が変わってきます。腹腔内の血管に動脈瘤を形成するのが典型的です。腸の血管を侵すと、腸の中への出血や腸へ十分な血流がいきわたらなくなり、血便や強い腹痛を起こします。腎臓の血管を侵すと血圧が上昇します。全身性の症状を来し、発熱、体重減少などがみられることがあります。また、関節痛や筋肉痛を起こしてくることもあります。皮膚にも多彩な症状が見られます。リベド皮疹(網目状の皮疹)、皮膚潰瘍、皮下結節などを起こします。神経が侵されると、手足の筋力低下や感覚低下がみられます。
どのように診断をするの?
血液検査、尿検査や画像検査などを組み合せて行います。CTやMRを用いた血管造影が重要な検査となってきます。また、血管内に直接細い管(カテーテル)を挿入して血管を造営する検査を行う場合もあります。皮膚や筋肉、神経の生検から診断がつくこともあります。
原因はなに?
現時点では、原因は不明です。
どのように治療をするの?
免疫が血管の炎症を起こすことによって起きてくる病気なので、免疫を抑える必要があります。ステロイドを治療に用いますが、症状や重篤度に合わせて量を変化させます。ステロイドに加えて免疫抑制剤を併用して、ステロイドの副作用がなるべく出ないように治療をします。病気の重症度によって免疫抑制剤の種類を使い分けます。