聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

脳神経外科

脳神経外科のお知らせ

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この度、川島明次部長の着任に伴い、もやもや病の特殊外来を開設しました。

もやもや病について

「もやもや病」とは脳を栄養する血管が進行性に狭窄し、もやもや血管と呼ばれる細く脆い血管が新生する病気です。血管が細くなり十分な血流が供給されないことによる脳虚血(悪化すると脳梗塞になる)と、脆いもやもや血管に負担がかかることによる脳出血の原因になります。小児と成人双方にみられ、小児で発見される例は大部分が虚血による症状ですが、成人で発見される例は半数が虚血、半数が出血病変であると言われています。

原因

日本やアジアに多い病気であり、原因遺伝子なども解明されつつありますが、いまだ不明な点が多く残っています。

症状

脳虚血による一過性脳虚血発作(一時的に手足の脱力や言語障害などを呈すること)で発症することが多いです。脳梗塞や脳出血を来たすと、麻痺、感覚異常、言語障害、けいれん、高次機能障害(思考、記憶、言語、学習、注意などの障害)などの症状を呈します。さらに重篤な症状をきたすこともあります。無症候で偶発的にみつかることもあります。

治療法

上記のような症状を呈する場合、血行再建術が勧められます。(1)頭蓋外血管を頭蓋内血管へ直接吻合し、脳血流を増加させる直接バイパス術と、(2)側頭筋などの組織を脳の表面に敷き込み申請血管が発生することを期待する間接血行再建術があります。

(1)は技術的に難しいですが直後から治療効果が高いと言われています。頭皮の血管(主に、浅側頭動脈)を剥離し、頭の中の脳血管(主に、中大脳動脈)に顕微鏡を使って吻合することにより、脳の血流量を劇的に増やすことが可能です。バイパス術で脳の血流を増やすことにより、脳梗塞の再発する危険性を大きく減らすことできます。

(2)は頭蓋骨の外側にある側頭筋や骨膜を脳の表面に敷き込んでくる手術です。当然、技術的には容易ですが、新生血管発達に数カ月を要し、さらに成人には効果が少ないという報告もあります。整容面で問題になることも少なくありません。側頭筋による脳への圧迫、術後出血などが問題になることもあります。は技術的には容易ですが、新生血管発達に数カ月を要し、さらに成人には効果が少ないと報告されています。

当院では十分な血流増加が期待できる直接バイパス術を中心に手術を行います。一定年齢以下の小児例に対しては、直接バイパス術に追加して間接血行再建術も同時に行います。間接血行再建手術だけを行うことは基本的にありません。20年以上、600件以上のもやもや病に対する直接バイパス術の経験と、多くの研究成果から、安全で効果の高い治療を目指します。

術前
直接バイパス術後、矢印:バイパス術によって増加した脳への血流

もやもや病に特化した治療を提供する聖路加国際病院

当院は患者さんに適した治療を提供することに専念しています。サービスの特徴は以下の通りです。

専門的な治療の提供

経験豊富な専門医
安全かつ信頼性の高い治療を提供するため、もやもや病の経験豊富な術者だけでなく、血管内治療専門医や技術指導医が常駐しています。

患者様中心の治療方針

生活全般のサポート
もやもや病は生活の様々な面で影響を及ぼす可能性があります。就学、就労、出産等、治療だけでなく生活面でも全面的なサポートを約束します。

総合病院としての強み

大学病院に匹敵する質の高い治療を、豊富な経験を持つ医療スタッフと先進的な設備のサポートで提供しています。

入院中のサポート

ホスピタリティの提供
入院中の患者さんには、当院が誇るホスピタリティをもってサポートいたします。心地よい環境と質の高いケアで、治療中の心身の負担を軽減します。

この病気についてのご相談は

もやもや病外来:毎週月曜 PM

電話にて予約を承っております。
上記疾患に精通した医師が診察いたします。

予約センター:TEL:03-5550-7120

患者さん一人ひとりの状態とニーズに合わせた治療を心がけております。
どんな小さな疑問や不安も共有いただければと思います。

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