聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

脳神経外科

脳神経外科のお知らせ

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 この度、川島明次部長の着任に伴い、三叉神経痛・顔面けいれんの特殊外来を開設しました。

三叉神経痛について

三叉神経痛は、顔面に激しい痛みを引き起こす神経系の疾患です。「この世で感じる最大の痛み」とも言われ、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。この病気は、顔面の片側に限局して発生し、食事、洗顔、化粧など日常的な動作がきっかけで痛みを誘発することが一般的です。

原因

ほとんどのケースで、三叉神経痛は三叉神経に血管が接触し、神経を圧迫することで発生します。まれに、脳腫瘍などが原因になることがあります。

症状

  • 顔の片側に突然、非常に強い痛みが発生します。
  • 痛みは数秒から数分間続くことが多く、洗顔・化粧・食事などの日常動作で誘発されます。
  • 痛みのない期間があり、痛みの再発への恐怖や、痛みの記憶が生活に影響を及ぼします。

治療法

三叉神経痛の治療には、いくつかの選択肢があり、症状の程度や患者の状態によって適した治療法が異なります。

1. 飲み薬 薬物治療は三叉神経痛の初期段階で効果的です。主にカルバマゼピン(テグレトール®)が用いられます。この薬は痛みを緩和する効果がありますが、眠気やふらつきなどの副作用に注意が必要です。

2. 神経ブロック療法 神経ブロックは、三叉神経に直接薬剤を注入するか、熱による凝固を行って、痛みを感じなくする方法です。顔面の感覚低下の副作用に注意が必要です。

3. ガンマナイフ治療 三叉神経根に高濃度の放射線を照射し、神経を麻痺させることを目的とした治療法です。手術を希望しない患者様には有効ですが、効果までには時間がかかります。顔面の痺れが出現することがあります。

4. 手術(微小血管減圧術) 手術治療は三叉神経痛の根本的な治療法です。圧迫している血管を神経から離し、原因を取り除きます。手術は全身麻酔下で行い、頭部に小さな開口部を設けて、顕微鏡を用いて精密に行います。低侵襲かつ短時間手術を実施しています。術中には感覚や運動、聴力などの神経の働きを感知するモニタリングを行い、より安全かつ確実な手術を目指しています。

当院では微小血管減圧術100例以上の経験を持つ熟練した医師が常駐しており、安全で、質の高い手術を実施しています。

顔面けいれんについて

顔面けいれんは、片側の顔の筋肉が勝手に動く病気です。初期段階では目の周囲が軽くけいれんし、徐々に頻度と重さを増します。症状が進行すると、口元まで広がり、目が開けられないほどの強いけいれんを起こすこともあります。この状態は、脳の血管が顔面神経を圧迫することによって発生します。

原因

この病気は、顔面神経が脳内の血管によって圧迫されることで発生します。その他、動脈瘤や腫瘍などによる圧迫が原因の場合もあります。

治療法

三叉神経痛の治療には、いくつかの選択肢があり、症状の程度や患者の状態によって適した治療法が異なります。

1. 飲み薬
精神安定剤や抗けいれん薬を使用しますが、効果は限定的です。

2. ボツリヌス毒素注射
顔面のけいれんする筋肉に注射し、一時的に筋肉を麻痺させてけいれんを止めます。効果は約3ヶ月続きます。

3. 手術(微小血管減圧術)
三叉神経根に高濃度の放射線を照射し、神経を麻痺させることを目的とした治療法です。手術を希望しない患者様には有効ですが、効果までには時間がかかります。顔面の痺れが出現することがあります。

4. 手術(微小血管減圧術)
手術治療は顔面けいれんの根本的な治療法です。耳の後ろの部分に小さな開口部を作り、手術用顕微鏡を用いて原因となる血管の圧迫を取り除きます

当院では微小血管減圧術100例以上の経験を持つ熟練した医師が常駐しており、低侵襲かつ短時間手術を実施しています。術中には感覚や運動、聴力の神経の働きを感知、また顔面神経の異常な筋電図を感知するモニタリングを行い、より安全かつ確実な手術を目指しています。

なぜ、三叉神経痛 / 顔面けいれんで、聖路加国際病院を選ぶのか

当院は患者様に最適な治療を提供することに専念しています。私たちのサービスの特徴は以下の通りです。

専門的な治療の提供

経験豊富な専門医
手術だけでなく、ボトックス治療や頭痛治療の分野でも豊富な経験を持つ専門医が常駐しています。これにより、患者さん一人ひとりの状態に適した治療法を提案し、実施することが可能です。

ボトックス治療
特定の医療資格を持つ医師のみが施行することができる特別な治療です。当院は、患者様に安心してボトックス治療を受けていただけるよう、この資格を有する2名の医師が常駐しております。

ガンマナイフ治療
東京女子医科大学との連携により、安全で質の高いガンマナイフ治療を提供しています。詳細はこちらのホームページをご覧ください。
https://www.twmu.ac.jp/NIJ/column/gamma/

患者様中心の治療方針

治療方法の選択
根治治療としての手術は大きな選択ですが、当院では手術のリスクと利益を十分に考慮した上で、患者さんに適した治療法を提案します。必ずしも手術を推奨するわけではなく、薬物療法やボトックス療法が望ましいと判断されるケースでは、それらの選択肢をお勧めします。

総合病院としての強み

総合的な治療体制
大学病院に匹敵する質の高い治療を、多くの経験を持つ外科医や施設のサポートにより提供しています。これにより、幅広い医療ニーズに対応し、高度な治療を行うことが可能です。

入院中のサポート

ホスピタリティの提供
入院中の患者様には、当院が誇るホスピタリティをもってサポートいたします。心地よい環境と質の高いケアで、治療中の心身の負担を軽減します。

この病気についてのご相談は

顔面けいれん・三叉神経痛の特殊外来:毎週金曜 PM

電話にて予約を承っております。
上記疾患に精通した医師が診察いたします。

予約センター:TEL:03-5550-7120

患者さん一人ひとりの状態とニーズに合わせた治療を心がけております。
どんな小さな疑問や不安も共有いただければと思います。

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