リハビリテーション
乳房の手術をすると、手術した後の痛みや拘縮(こわばり)のために、手術した側の腕が重だるくなったり上がりにくくなることがあります。この拘縮は肩関節の運動を行わず、じっとしていると次第に増強していきます。これらの症状を回復させるためには、手術後のリハビリテーションが必要です。乳房再建を行った方は、形成外科の医師の指示に従ってください。
1.手術翌日から
手術翌日からは歩行や食事が可能となり、徐々に体力も回復していきます。最初は無理をせず肘や手の運動から始めましょう。
2.術後1週間目以降
徐々にリハビリテーションを開始していきます。ドレーンが挿入された方は抜去後から始めましょう。
各運動ともはじめは5回程度、慣れてきたら10回程度まで回数を増やしていきます。1セット10〜20回ずつ、1日に2〜3回おこないます。
前方に90度以上上がるようになれば、リハビリテーションの第一段階は成功です。120度以上上げられるようになれば、身の回りのことはほとんどできます。
3.術後2週間目以降
本格的にリハビリテーションを行っていきます。特に壁を使った運動(壁登り運動)が有効です。
入浴が許可されたら、入浴後に行うとより効果が上がります。
日常生活のなかでも、リハビリテーションになる運動があります。
腕は一度上がるようになってもリハビリテーションを怠ると再び上がりにくくなってきます。術後1年程度は続けましょう。1ヶ月を経ても腕が上がりにくい場合はスタッフに相談してください。また時に肩関節そのものの痛みが出現し、関節炎を起こしていることがあります。その場合には無理をせず整形外科で診察を受けましょう。