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腎がんの診断
はじめに
腎臓はそら豆の形をした臓器で、左右対称に腰のあたりにあります。腎臓の実質から生じるがんを、腎がんまたは腎細胞がんと呼びます。腎臓に限局しているか、遠隔転移をしているかで治療法がことなります。
進行するまで自覚症状として現れることは少ないですが、近年では検診での超音波検査などにより早期発見されることも多くなっています。
腎がんのリスクとして喫煙や肥満などの生活習慣病がリスクになるといわれています。また、職業上有機溶媒などに暴露されているとリスクが上昇するといわれています。
検査
一般的な採血や尿検査に加え、CT検査で腫瘍の大きさや性質を確認し、ステージングを行います。
必ずしも手術を必要としない良性腫瘍も存在するため、必要に応じてMRI検査や腫瘍生検(組織に背中から直接針をさし、病理検査で性状を確認します。)を行うことで、治療方針を決定します。
T分類 | |
---|---|
T1a | 最大径が4cm以下 |
T1b | 最大径が4cmを超えるが7cm以下 |
T2a | 最大径が7cmを超えるが10cm以下 |
T2b | 最大径が10cmを超え、 腎に限局する |
T3a | 腎静脈 |
T3b | 横隔膜下の下大静脈に進展する腫瘍 |
T3c | 横隔膜上の下大静脈に進展、 または大静脈壁に浸潤する腫瘍 |
T4 | Gerota筋膜を超えて浸潤する腫瘍 |
N分類 | |
---|---|
N0 | 領域リンパ節転移なし |
N1 | 領域リンパ節転移あり |
M分類 | |
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M0 | 遠隔転移なし |
M1 | 遠隔転移あり |
リンパ節転移がない | 遠隔転移はないが所属遠隔転移がある | リンパ節転移あり | |
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N0 | N1 | N0-1 | |
M0 | M0 | M1 | |
T1 | Ⅰ | Ⅲ | Ⅳ |
T2 | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
T3 | Ⅲ | Ⅲ | Ⅳ |
T4 | Ⅳ | Ⅳ | Ⅳ |
治療
腎臓またはその周囲にとどまっている場合、通常手術療法を選択します。
腫瘍の大きさ、部位に応じて、腎部分切除術または根治的腎摘除術を選択します。またそれぞれロボット支援手術、腹腔鏡手術、開腹手術が選択可能です。
一般的に腎部分切除術はロボット支援下での手術を行い、腎摘除術はロボット支援下(2022年4月保険収載)または腹腔鏡下での手術を行います。周囲組織への浸潤を伴う難症例などは、開腹手術を選択することもあります。
手術療法以外の選択として、経皮的凍結療法や監視療法を選択することがあります。
遠隔転移を有する場合、全身治療(化学療法など)が選択されます。
近年腎がんに対しても多くの薬剤が開発され、保険適応に認可されてきました。
分子標的薬として、スニチニブ、パゾパニブ、アキシチニブ、エベロリムスなどがあり、免疫チェックポイント阻害薬として、イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブなどがあります。腎がんのリスク分類や組織型、その他合併症などに応じて薬剤を選択します。
全身治療に関しましては、当院では腫瘍内科で治療を行うこととなります。詳しい治療方針に関しましては腫瘍内科にてご相談をいただきます。