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腎がんの手術治療
転移がない腎癌に対して完治を目指すとすれば、標準治療は手術です。
手術の内容
手術の内容には2種類あります。
① 腎臓を全て取り出す(全摘術)
② 腎臓の腫瘍を中心に切除する(部分切除術)
どちらにするかは、主に腫瘍の大きさと腎臓のどの部位にあるかで決まります。
片方の腎臓を全摘すると、全体の腎機能は手術前の半分近くになってしまいますが、元々腎臓の機能には余力があるので、手術前の腎機能がほぼ正常であれば、機能が半分になっても手術前と同じ生活ができます。しかし、腎機能に余裕があるに越したことはないので、できれば腎機能をより残せる部分切除が望ましいとも言えます。
一方で手術の難易度は、全摘術よりも部分切除の方が複雑で難しくなります。
以上のことを総合的に判断して手術内容(術式)を決めます。
手術の方法
① 開腹手術
② 腹腔鏡手術
③ ロボット支援手術
開腹手術は、昔より行われている腹部を切開して行う手術です。腹腔鏡手術は、開腹はせずに腹部に穴を開けて内視鏡(カメラ)と手術器具を挿入して行う手術です。ロボット支援手術は腹腔鏡手術をさらに発展させたもので、内視鏡や手術器具を手術用ロボットが持って、ロボットを術者が操作するものです。
最近は、開腹をせずに通常の腹腔鏡手術よりも精緻な手術が行えるロボット支援手術が主流です。当院では、部分切除術のほとんどをロボット支援手術で行なってきました。
全摘術をどの方法で行うかは、ケースバイケースです。とても大きな腫瘍の場合は開腹手術で行います。それ以外は、通常腹腔鏡手術で行われていました。これまでロボット支援手術は、全摘術の場合には健康保険で実施できませんでしたが、現在は保険適用となったため、今後はロボット支援手術で行うケースも増えていくと思われます。