聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

心血管センター(循環器内科・心臓血管外科)

肺塞栓症とは

肺塞栓症1

心臓からの血液を肺に送り届ける肺動脈に、血液のかたまり(血栓)が詰まった状態を肺塞栓症といい、その結果、血流が滞って肺組織が壊死していく状態を肺梗塞といいます。原因としては、脚の静脈にできた血栓が心臓を介して肺に運ばれて起こることがほとんどで、長時間動かず同じ姿勢でいることで脚の静脈の血流が滞り、血栓ができてしまうと考えられています(このように脚に血栓ができた状態を深部静脈血栓症といいます)。一般的には、飛行機内のエコノミークラスのように狭くて動きづらい環境下で、長時間着席したままの状態でいることで生じることが多いため、エコノミークラス症候群とも呼ばれています。

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当院で行える治療法

肺塞栓症の症状としては胸の痛み、呼吸困難、咳が一般的ですが、重症の場合には意識を失ったり、命に係わったりこともあります。そのため急性の肺塞栓症では、緊急の治療が必要になります。呼吸管理のために酸素吸入を行うとともに、詰まった血栓を溶かす血栓溶解薬を使用し、血栓を溶かすだけでなく新たに血栓ができないようにするためにヘパリンやワルファリンといった抗凝固療薬を合わせて使用します。さらに深部静脈血栓症として脚に血栓が残っている場合には、血栓が肺に運ばれていくのを防ぐために、その通り道である下大静脈にフィルターという金属の傘を留置する方法があります。
また深部静脈血栓症から引き起こされる肺塞栓症はなにより予防が大切です。飛行機や電車、バスなどに長時間乗る場合には、1時間に1回程度は足を上げ、足首を曲げ伸ばす運動をすることで血液の巡りが良くなり、血栓の形成を防ぐと言われており、さらに脱水状態も血栓をできやすくするため、こまめに水分を摂取することが大切とされています。

下大静脈フィルター 血栓溶解療法の治療前

下大静脈フィルター

下大静脈フィルター 血栓溶解療法の治療前

血栓溶解療法の治療前と治療後

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当院での特徴

これまで深部静脈血栓症に対する治療は、血栓溶解療法や抗凝固療法といった薬物療法が主体でしたが、当院では重症の深部静脈血栓症に対して、カテーテルを用いた積極的な血栓溶解治療も行っています。この治療方法は、すべての方に適応となる治療ではありませんが、従来の方法と比較し早期に血栓が溶け、晩期の合併症(血栓後症候群など)の合併発生を軽減することができると期待されている治療法です。

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診療実績

2009年1月〜2009年12月の1年間で深部静脈血栓症および肺塞栓症で20名の方が入院されています。
また同期間に17名の方に下大静脈フィルターを留置(他の疾患で入院され、入院中に肺塞栓症や深部静脈血栓症を併発された方に対して施行した例も含みます)し、そのうち5名の方は治療後に下大静脈フィルターを抜去しています。

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心血管センターのお知らせ

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