聖路加国際病院

St Luke's International Hospital

スポーツ総合医療センター

よくあるご質問(FAQ)

【受診に関して】

予約がなくても受診は可能ですか?

事前予約制を導入していますので予約をしてから受診していただくことをお勧めしています。
予約がなくても、センター所属医師の外来日であれば、来院当日に対応できる場合はあります。ただし、診察までに長時間お待ちいただいたり、希望の医師の診察が受けれないことがありますので来院前にホームページあるいはお電話にてご確認いただくことをお勧めします。
予約センター(TEL:03-5550-7120)は、曜日や時間帯によりお電話がつながりにくい状態が続いておりご迷惑をおかけしています。月曜日はお問い合わせが多く慢性的につながりにくいため、お手数ですが時間をおいてお電話をかけなおしていただくか、火曜日から金曜日におかけいただくことをお勧めしております。

紹介状がなくても受診は可能ですか?

当センターでは、紹介状(診療情報提供書)がなくても診察をしております。ただし紹介状をお持ちでない場合は、通常の保険診療分の他に選定療養費(8,800円(税込み))を別途負担していただきます。
他の医療機関からの紹介状は、診察の際に重要な情報源となりますので、紹介状に当院「スポーツ総合医療センター」「希望医師」を明記しお持ちいただくことをお勧めします。

受診当日に検査もしてもらえますか?

血液検査、単純X線検査、CT検査は受診当日に検査することは可能です。本院のMRI検査は混みあっていますので当日検査することが難しく予約をお願いしています。お急ぎの場合には、近隣の検査センターに依頼することは可能ですが、通常長時間お待ちいただくこととなるため、紹介元あるいは近隣の施設で施行したMRI検査画像をお持ちいただくと診察がスムーズとなります。

保険診療でメディカルチェックを受けることはできますか?

スポーツ選手に対するメディカルチェックは人間ドックと同様に保険外診療(自費診療)となります。
メディカルチェックは、スポーツ中の重大事故を予防するためには重要であり、当院でも、学生チーム(高校、大学)、プロスポーツ・代表選手に対して行っています。メディカルチェックは完全予約制とさせていただいております。検査内容も競技により異なる場合がありますので、必要な検査、費用および検査予約については事前にご相談させていただいております。

【入院に関して】

病室は大部屋ですか?

当院は集中治療室、小児病棟、新生児室、緩和ケア病棟の一部を除いた全ての病室が「個室」となっています。中学生までの方は、小児病棟に入院となることがありますので大部屋となることがあります。
病室のご希望については入院手続き時に承りますが、入院後に病室変更のご希望がある場合には、病棟にてご相談ください。ただし、病状などにより、希望どおりの病室をご用意できない場合があります。また、病室を移動していただくこともあります。

手術のために入院を予定しています。何時までに入院すればよいですか?

臨時入院を除き、当センターで手術を受けるほとんどの方は、入院当日に手術をお受けになります。
朝 1 番目の手術を指示された方は、午前 8:00(厳守)までに中央手術室(本館 4 階)にお越しください。手術後に直接病室に移動し入院となります。 入院してから手術を受ける方は、午前 9:00 に入院受付(本館 1 階⑦番) にお越しください。

入院中にインターネットや携帯電話は使えますか?

当院では、院内でご利用いただけるWi-Fi によるインターネット接続サービス(luke-wifi)をご提供しています。パソコンやスマートデバイスなどのWi-Fi 対応機器をご持参いただければ、入院中にインターネットをご利用いただけます。
携帯電話は病室内でご使用になれます。ただし病院内の「使用禁止」の掲示がある区域では、携帯電話をご使用になれません。

入院費をカードで支払うことは可能ですか?

お支払いは現金もしくは、クレジットカード、デビットカードをご利用頂けます。
使用可能なカードについては、こちらをご確認ください。

【スポーツ一般】

肉離れとはどんなケガですか?

肉離れとは、ランニングやジャンプなどの動作の中で急に強く筋肉が収縮した時に筋肉(筋膜や筋線維)が損傷するケガのことです。筋肉の遠心性収縮(収縮しながら引き伸ばされること)時に発生しやすく、筋肉の収縮力や力学的強度を超えた負荷がかかったときに発生するとされています。肉離れは、介達外力や自家筋力により筋肉を損傷した状態を指しますが、同じ筋損傷でも、打撲などの直達外力で生じた筋の損傷は、筋挫傷あるいは筋打撲傷と呼びます。
肉離れは、あらゆるスポーツや筋肉に起き、解剖学的な部位としては筋肉から腱になっていく筋腱移行部が損傷されやすいと言われています。肉離れの診断は、MRI検査や超音波(エコー)検査で行いますが、重症度の判定や治り方の評価にはMRI検査が有効とされています。ほとんどの肉離れは、手術をせずとも保存的に治ります。ただ引き抜け損傷と言われるような一部の損傷では手術を必要とすることもあります。

疲労骨折は普通の骨折とは違うのですか?

骨折とは、骨の連続性が一部あるいは完全に絶たれた状態になることを指します。一部に損傷があっても骨の形が変わらないものは不全骨折や「ひび」がはいったなどと呼ばれます。ケガによって起きる一般的な骨折は一回の大きな力(外力)が加わることによっておきます(交通事故、転落・転倒など)。
疲労骨折では、骨の同じ部位に小さな力が繰り返し加わることによりおきます。打撲や捻挫などでもある一定以上の力が骨に加わると骨組織に「骨微細損傷(顕微鏡レベルのごく小さなひび)」が生じることが知られていますが、通常、これらの骨微細損傷は人間が有する治癒能力(リモデリング)により自然に修復されています。しかしながら、このような骨微細損傷も繰り返し一定以上の負荷にさらされると修復される間もなく新たな骨微細損傷が生じることにより修復不能に陥ります。このような現象が疲労骨折発生の原因となります。
疲労骨折は全身の骨に広く起きますが、脛骨や中足骨に比較的多く発生します。痛みがあっても症状が出始めたばかりの時にはレントゲン写真などでは発見できないこともあるため、診断にはMRI検査や骨シンチが役に立つとされています。ほとんどの疲労骨折では、スポーツ活動の休止や安静のみで治りますが、肘頭疲労骨折、跳躍型脛骨疲労骨折やジョーンズ骨折などの特殊な疲労骨折では手術になる場合もあります。

RICE処置って何のことですか?

スポーツでケガをしたときなどに現場でしばしば行われる応急処置のことです。ケガをしてすぐに治療をはじめることにより、組織の損傷を最低限にし、腫れや炎症を抑えることができます。RICE療法のアルファベットは、Rest、Ice、Compression、Elevationの頭文字です。
「R」は、Restの頭文字で「安静」を意味します。どの程度の安静をとるかはケガの程度によります。数日はケガをした部位に痛みを生じる動作は避けるようにします。「I」はIceの頭文字で「冷却(アイシング)」を意味します。ケガをしたら即座に氷で冷やすことが勧められます。1回あたり10~20分間、1~2時間毎にケガをした部位を冷やします。「C」は、Compressionの頭文字で「圧迫」を意味します。弾性包帯、弾性テーピング、弾性ストッキングなどを使用してケガをした場所を圧迫します。これにより出血を減らし、腫れをおさえることができます。「E」は、Elevationの頭文字で「挙上」を意味します。ケガをした部位を心臓より高い位置にすることにより過度な腫れを防止することができます。
RICEと似たような処置として、PRICEやPOLICEというものも提唱されています。PRICEは、RICEにProtection(保護)を加えた処置のことです。POLICEは、PRICEのRestをOptimal Loading(最適な負荷)に変えたもので、完全な安静(Rest)ではなく「受傷早期から最適な運動を行なって患部に負荷をかける(Optimal Loading)ことで、筋肉の萎縮や患部の癒着を防ぐと同時に、患部の治癒促進を促す」ことを目的としています。

関節鏡ではどんな手術ができるのですか?

関節鏡手術とは、内視鏡の一種で胃カメラを胃まで入れるのと同様に、内視鏡を関節の中に入れて関節の状態を観察したり処置したりする手術の方法です。膝や肩の関節鏡手術が広く行われていますが、肘関節、手関節、股関節、足関節などの関節でも手術が行われています。
関節鏡は近代整形外科手術の進歩に大きな貢献をした技術です。開発初期は観察のみでしたが、1962年には渡辺正毅先生が世界で初めて関節鏡下半月板切除術を行いました。1975年にJohn B. McGinty先生によって関節鏡モニターシステムが導入され、以降、電子工学等の発展により、小型CCDカメラやビデオシステムの技術革新、それに伴う手術器械の開発により様々な手術に応用できるようになりました。膝の半月板手術は一般的となりましたが、靱帯再建術、軟骨修復術、肩関節脱臼制動術、肩腱板修復術、股関節唇修復術など複雑な手術も関節鏡でできるようになっています。

アスレチックリハビリテーションとは?

従来のリハビリテーション(メディカルリハビリテーション)が社会復帰を目的として行われているのに対し、スポーツ選手がスポーツへの復帰を目指して行うリハビリテーションをアスレチックリハビリテーションと呼んでいます。ケガや手術後の早期復帰、ケガの予防、パフォーマンスの向上を目的としたリハビリテーションです。

【肩関節】

肩関節脱臼

肩関節を脱臼したらすぐに手術が必要ですか?

肩関節の脱臼は、上腕骨頭という球体が、関節窩という面からずれて外れてしまう状態です。その程度を脱臼(完全に外れる)、亜脱臼(少しずれてすぐに戻る)、疼痛、の3つに分けることがあります。いずれの場合も、関節を支える関節包靱帯が引き伸ばされる、もしくは切れることが原因です。
切れた靱帯は治る過程において、同じ緊張度や強度で修復されず、ゆるみや不連続さが生じてしまいます。その“ゆるみ”や“不連続”により、肩関節の安定が損なわれると、スポーツ活動や日常生活に支障が出るようになります。また、脱臼すると関節の周囲にある神経や腱が強く伸ばされて、神経麻痺や腱断裂が生じたり、肩関節の骨に陥没骨折や裂離骨折が起きることもあります。
初めて脱臼した場合(初回脱臼)には、1~2週間程度、痛みが落ち着くまで肩を安静に保ちます。三角巾や特別な装具(外旋装具)での治療が一般的で、痛みが落ち着いたら2、3か月の段階的なリハビリを経てケガをする前の活動への復帰を試みます。それでも熱心にスポーツ活動をしている方の場合、10歳代で約80%、20歳代で約50%の方が不安定症になるとされています。よって、初回脱臼後でも手術を選択する場合があります。
脱臼を繰り返すあるいはクセになることを「反復性脱臼」といいます。反復性脱臼は安静や装具だけではなかなか治らず、関節を支える靱帯や骨の損傷が進行しますので、治療のためにはしばしば手術が必要となります。当院では、1)関節鏡を用いた靱帯修復、関節面骨折修復、2)関節外からの骨移行制動術 の2種類の手術を行っています。スポーツの種類、病歴、手術前の検査結果、患者さんの希望により、上記を組み合わせた術式を選択することもあります。

手術した場合の入院期間は何日ぐらいですか?

当院での入院期間は、2~3日間です。

手術をした後すぐに手を使うことはできますか?

術後3週間程度は装具を使用して肩関節の安静を保つようにしますが、肘より先は比較的自由に使えるため、多少の不便はありますが、着替え、書字やコンピュータ―操作などは可能です。術後翌日から創部に防水テープを貼ってシャワー浴もできます。利き手の場合、箸を用いた食事はできるだけ遠慮してもらっています。

退院後のリハビリは家の近くのクリニックでも大丈夫ですか?

遠方の方や時間の調整がつきにくい方は自宅あるいは職場近くの施設でのリハビリをお勧めしています。肩関節脱臼術後のリハビリは重要ですので当院のリハビリプログラムを理解できる十分な経験のある施設でのリハビリに限らせていただきます。

スポーツにはいつ頃復帰できますか?

術後約3週間で装具を外し関節可動域訓練から開始します。術後3ヵ月間は慎重な可動域訓練と筋力を行い、十分な可動域と筋力が得られたら、術後3か月以降に競技に応じた運動機能訓練を開始します。競技により異なりますが術後4~6か月で完全復帰を目指します。

肩腱板損傷(断裂)

腱が切れていると言われたのですが生活には困っていません。手術は必要ですか?

腱板損傷は、加齢、ケガ、スポーツ障害などが原因で起きることがあります。加齢による腱板の劣化により切れてしまうことがありますが小さな損傷では症状がないこともあります。ただ、肩関節の機能としては部分的に損なわれているため、活動性が上がると痛みを感じることがあります。また、腱板断裂は2年程度で半数が進行(断裂が広がる)します。そのような場合には、筋力低下や関節軟骨のダメージにつながりやすく、後で手術をしても十分な機能回復や症状改善が得られないことがあります。
腱板損傷では、年齢、社会的背景(仕事やスポ―ツなど)や腱板断裂の大きさにより症状や経過は様々です。症状がほとんどない場合にはすぐに手術をする必要はありませんが、定期的な検査と診察を受けることが勧められます。

スポーツにはいつ頃復帰できますか?

腱板断裂後のスポーツ復帰率は参加している競技やレベルによるとされています。レクリエーションスポーツ(ゴルフ、水泳、テニスなど)では、半年から1年間のリハビリを経て復帰を目指します。一方、競技選手の場合では、損傷の原因が今までの酷使によるものだと手術をしても十分な回復が得られないことがあります。肩の筋力トレーニングは手術後3か月以上経過してから段階的に開始し、最終的な競技復帰は競技の種類や選手の状況に合わせて慎重に検討します。

【膝関節】

半月板損傷(断裂)

半月板はどこにあるのですか?

半月板は膝関節の大腿骨と脛骨の間にある三日月に近い形(C型)をした軟骨に似た組織で、内側と外側にそれぞれあります。半月板は三日月型をした板状であることから、ひざのお皿としばしば混同されますが、ひざのお皿は膝の前にある膝蓋骨(しつがいこつ)という骨です。半月板は関節の中にあるため触ることはできません。

半月板が切れたら必ず手術が必要ですか?

半月板損傷は、スポーツ外傷でよくみられますが、高齢者ではささいなケガや日常生活動作でも損傷することがあります。半月板損傷(断裂)を手術するかどうかについては、どのような症状があり、半月板のどの部分がどのように切れているかを評価した上で決定します。半月板では関節包の付着部周辺部には血管があるため、損傷していても不安定性がなければ手術をしなくても治ることがあります。血管がないあるいは血行が乏しい部分では損傷すると自然に治らないこともあり、痛みを伴うクリック症状(音がする)やロッキング症状(ひっかかる)などがあれば手術治療が必要となります。

手術はどのように行うのですか?

半月板損傷(断裂)に対する手術は、大きく分けて部分切除術と縫合術(修復術)の2種類があります。いずれの手術も関節鏡で行います。損傷の部位や仕方により手術の方法を選択しますが、一般的には小さな断裂や治癒しない部位の断裂ではその部分のみを切除します。治癒する可能性のある部位は断裂部を特殊な器械を用いて糸などで縫合します。

スポーツにはいつ頃復帰できますか?

半月板の損傷部位と手術の方法によりスポーツの復帰時期は様々です。部分切除術では、内側か外側か、軟骨の状態や切除量により左右されます。競技復帰までの期間は早いもので6週間、慎重を要するもので4か月かかる場合もあります。縫合術の場合には4~6ヶ月かかります。

前十字靭帯損傷(断裂)

手術した場合の入院期間は何日ぐらいですか?

当院での入院期間は4~7日間です。半月板や軟骨に対する特別な処置を必要としない場合でも術後1週間は松葉杖が必要ですので1週間前後入院される方が多いです。

手術後のリハビリはいつから始まりますか?

手術後のリハビリは翌日より開始します。車椅子で本館5階リハビリセンターを受診し、機能評価を行った後に松葉杖による歩行訓練を開始します。痛みに応じて筋力訓練を開始します。

退院後のリハビリは家の近くのクリニックでも大丈夫ですか?

遠方の方や時間の調整がつきにくい方は自宅あるいは職場近くの施設でのリハビリをお勧めしています。前十字靱帯再建術後のリハビリは重要ですので当院のリハビリプログラムを理解できる十分な経験のある施設でのリハビリに限らせていただきます。

学校や仕事にはいつから戻れますか?

術後の痛みは徐々に軽減し、術後2~3日で松葉杖で動けるようになります。座って行う短時間の勉強や仕事であれば可能となりますが、あしの腫れ(むくみ)がひどくなることがあるため、休憩を取りながら行うことが勧められます。術後2~3週間程で膝の腫れも落ち着き、自信をもって足をついて歩くこともできるようになるため、公共交通機関での移動も比較的楽にできるようになります。

車の運転はいつからできますか?

左膝の手術の場合には、AT車であれば、運転再開時期に制限を設けていません。右膝の手術の場合には制限を設けています。近年の研究によると前十字靱帯再建術後6週で運転技術、ブレーキ反応時間はほぼ正常に戻るとされています。筋力や関節可動域が回復し日常生活に問題なくなる術後6~8週を目途に許可しています。

スポーツにはいつ頃復帰できますか?

術後早期より関節可動域訓練、筋力訓練を開始します。術後6週で静止自転車、術後3か月でジョギング、術後6か月でダッシュ、ジャンプを含むトレーニングを開始します。術後7か月を目途に競技特異性トレーニングを開始し、術後8ヶ月~12か月で完全復帰を目指します。スケジュールはあくまで目安であり、個人差があり、また競技よっても異なります。

固定した金属は抜くのですか?

移植した腱を骨に固定するために、金属(ボタン、スクリュー、ステープルなど)を使用しています。ほとんどの金属がチタン合金製であり関節外で固定されているため関節機能に影響を与えることが少ないとされています。原則、抜去はしませんが、日常生活やスポーツ(膝立てが多い作業や格闘技など)によっては固定した金属の部分が痛みの原因となることがあり、そのような場合には抜去します。抜去のためには1泊2日の入院が必要です。

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