呼吸器外科
診療内容・特徴
はじめに
当科では、もし自分が、あるいは家族・身内が病気になった時に、自らが受けたい治療、身内に受けさせたい治療を実践することを基本姿勢として、一人ひとりの患者さんの立場に立った診療方針と治療計画を立て、十分な説明と同意を得たうえで診療にあたっています。呼吸器疾患に習熟したスタッフによる診療体制を整備し、呼吸器内科・放射線科・麻酔科・集中治療部との緊密な連携による高い水準の医療を行っています。
当科の診療内容
早期の肺がんや自然気胸などの良性疾患に対して、患者さんの痛み・負担をできるだけ軽減するため、積極的に胸腔鏡を用いた低侵襲な手術を実施しています。このため手術からの回復も早く、地域の医療機関への引き継ぎもスムーズです。また、治療が難しい進行肺癌に対しては、他の診療科と連携して抗癌剤や放射線治療を組み合わせた集学的治療を行い、治療成績の向上を目指しています。
最善の医療を提供
当科で実施したすべての手術のデータをNational Clinical Database(NCD)に登録しています。NCDに登録することにより自らの医療水準を把握し、最善の医療を提供するための体制整備や取り組みの促進について、根拠に基づいた検討を行うことができます。
対象症例・得意分野・専門分野
診療内容
- 肺がん手術治療
- 早期肺癌に対する低侵襲外科治療
- 進行肺癌に対する拡大手術、集学的治療
- 自然気胸・良性腫瘍など良性疾患に対する胸腔鏡手術
- 縦隔腫瘍に対する外科治療
- 転移性肺腫瘍に対する外科治療
- 感染性疾患(膿胸など)に対する外科治療
- 重症筋無力症に対する外科治療
- 胸膜腫瘍・胸壁腫瘍に対する外科治療
- 胸部外傷に対する外科治療
- 胸部異常陰影に対する診断と治療
診療実績
患者数
1.外来
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|
初診 | 259 | 212 | 253 | 241 |
延べ数 | 2,564 | 2,475 | 3,058 | 2,915 |
2.入院
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|
実数 | 175 | 149 | 177 | 160 |
延べ数 | 1,291 | 1,370 | 1,666 | 1,337 |
平均在院日数 | 6.1 | 6.1 | 8.2 | 7.2 |
3.手術件数
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|
原発性肺がん(肺悪性腫瘍) | 101 | 94 | 99 | 97 |
転移性肺腫瘍(肺悪性腫瘍) | 13 | 14 | 19 | 11 |
縦隔腫瘍 | 7 | 14 | 12 | 12 |
自然気胸 | 24 | 11 | 18 | 22 |
その他 | 35 | 29 | 30 | 29 |
肺癌の入院費用(肺癌手術入院治療費の例)
モデルケース
70歳未満の方の平均的年収(約370万から約770万円)の方
実施する手術:胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除または区域切除)
入院期間:8日(術前1日、手術日1日、術後6日)
室料差額部屋の使用:8日うち4日間33,000円(税込)の部屋を使用
※当日の他の患者様のご入院状況によっては、有差額床の利用日数が変わる可能性がございます。
(1)入院診療費(3割負担)⇒ | 約180-200万円、3割負担で約55-60万円 |
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(2)室料差額代⇒ | 33,000円×4日=132,000円 |
(3)食事負担⇒ | 490円(1食あたりの自己負担)×19食=10,780円 |
病院にお支払いいただく金額=(1)+(2)+(3)= | 約70~75万円 |
高額療養費制度を利用した場合 | (1)の自己負担額は約10万円弱.これに(2)と(3)を合算すると、自己負担額の総額は約23万円強となります。 |
- 70歳未満の方の限度額適用認定証について
高額療養費制度に基づき、70歳未満の方が「限度額適用認定証」を医療機関に提示すると、入院費用の支払いが「自己負担限度額」までとなります。
交付手続き等詳細は、お持ちの保険証に記載されている市区町村または健康保険組合にお問い合わせください。
※自費料金(室料差額、クリーニング代等)、食事代、自費診療分についてはこの制度の対象になりません。
70歳未満の方の限度適用額認定証についてはこちら
- 70歳以上の自己負担限度額について
対象者 自己負担限度額(月額) 多数該当 世帯単位
(入院・外来)個人単位
(外来のみ)現役並み所得者 年収約1160万円~ 252,600円+(医療費-842,000円)×1% 140,100円 年収約770万~約1160万円 167,400円+(医療費-558,000円)×1% 93,000円 年収約370万~約770万円 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 44,400円 一般 年収約156万~約370万円 57,600円 18,000円 44,400円 低所得者Ⅱ 24,600円 8,000円 低所得者Ⅰ 15,000円 8,000円 高額長期疾病病患者(慢性腎不全、血友病の患者)の自己負担限度額(月額):10,000円 (1)低所得者Ⅱ:世帯員全員が①市町村民税非課税者、又は②生活保護法の要保護者であって、自己負担限度額・食事標準負担額の減額により保護が必要でなくなる者
(2)低所得者Ⅰ:世帯員全員が「低所得者Ⅱ」に該当し、さらにその世帯所得が一定基準以下
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